自然を楽しめる庭が欲しくても、敷地が狭いからとあきらめている方も多いのではないでしょうか。小さなスペースがあれば「坪庭」をつくることができるため、四季折々を身近に感じることができます。また、開放的な空間を演出してくれるため、日々の暮らしを豊かにもしてくれるのが「坪庭」です。
そこで今回の記事では、坪庭とはどんなものなのか解説し、坪庭のメリット・デメリットを紹介します。
坪庭について
古くから町屋などで親しまれていた坪庭とは、一体どのようなものなのでしょうか。ここでは坪庭について紹介します。
坪庭とは？
坪庭はその名の通り、1坪あたりの畳2枚程度の広さの庭を言います。坪庭に植栽を入れることで、眺めや景観を良くすることができるだけではなく、風通しや採光によって、暮らしの質を向上させてくれるでしょう。
また、四季折々の花や景色を楽しむことができるため、小さいスペースでも重要な役割を担ってくれるのです。
中庭との違いは？
中庭は坪庭と同じように部屋に囲まれているため、どの場所からもアクセスすることができます。建物に囲まれた庭として、さまざまな用途に使われており、風通しも良くすることができるのです。しかし、プライベートな空間として使うことができる中庭ですが、窓面積が坪庭よりも広くなるため、コストが高くなりやすくなります。
一方の坪庭は、コンパクトでありながらも、中庭と同様に風通しを良くし、景観を楽しむことができます。どちらかと言えば装飾を目的としていながらも、無駄な空間を活用できるのは、坪庭ならではです。
坪庭のメリット
おしゃれな存在感漂う坪庭ですが、取り入れるとどうなるのでしょうか。ここでは、坪庭がもたらす多様なメリットについて紹介します。
開放的な空間に演出できる
坪庭を部屋の延長として設置することで、視覚的に見せる効果によって、開放的な空間に演出することができます。そのため、狭い居住スペースを広く見せられる効果が期待できるのです。また、レイアウトによっては、家全体を圧迫感のない広がりを持たせられるため、狭小空間を有効活用できます。
採光や通気性が良くなる
坪庭を設置することで、窓が増えるため、光や風を取り込みやすくなり、採光や通気性が良くなります。もともと坪庭は風の通り道をつくる、採光を目的としているからです。構造上や防犯上で窓を設置するのが難しいケースでは、坪庭をつくることで通気性を良くすることができるでしょう。
建物の内側に窓を設置するため、採光や通気性の点でもメリットを得ることができるのです。
景色を楽しみながら自然を感じられる
四季折々の草木などの植栽によって、家にいながらも、自然を身近に感じることができます。浴室から眺められる坪庭は、ゆったりとした癒しのバスタイムを演出してくれ、贅沢なプライベート空間になるでしょう。坪庭は和風のイメージが大きいですが、ウッドデッキを置く、ガーデニングスペースをして使うなど、洋風にアレンジすることもできます。
そのため坪庭は、景色を楽しみながら四季の移り変わりを通じて、自然を身近に感じられる空間なのです。
子どもやペットの遊び場にできる
坪庭を囲んでリビングなどをレイアウトすると、いつも家族の気配を感じられる住まいをつくることができます。
小さな子どもやペットがいる場合、プライバシーを守りながら周りを気にすることもなく、外で遊ばせられる場所になるでしょう。家の中にいても外で遊んでいる様子を見ることができるため、手軽に遊ばせられる場所として有効です。
坪庭のデメリット
魅力的な坪庭ですが、メリットばかりではありません。ここでは坪庭のデメリットを紹介していきましょう。
居住スペースが狭くなる
敷地に余裕がある場合に坪庭をつくるならば問題はありませんが、設置スペースに限りがあるなら、住居スペースを圧迫することになるかもしれません。無理に坪庭をつくってしまえば、家事動線が悪くなる可能性もあるのです。きちんと家づくりにおいての優先順位をはっきりさせることが大切です。
断熱性が悪くなる
採光や通気性を良くするために窓の設置が増えてしまうため、断熱性が悪くなってしまいます。窓が増えると熱効率が下がるため、壁に比べて断熱性が悪くなるのです。しかし、コストは高くなりますが、断熱効果のある窓やサッシを取り入れることで、冷暖房を効率よく使うことができるでしょう。
メンテナンスの手間がかかる
坪庭は狭いスペースだとしてもあくまでも外に設置されているため、少しでも放置してしまうと植栽などが伸び放題になってしまいます。もしかしたら、芝生や植木などは専門の職人さんに依頼する必要もあるかもしれません。
まとめ
今回紹介した坪庭は、通気性を良くするなどの機能性はもちろん、自然を感じられる景観によってプライベートな空間を贅沢にしてくれます。スペースが狭いからと庭をあきらめるのではなく、坪庭によって家族の交流の場としても使えるよう、限られたスペースを有効活用できるのです。
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