日本庭園は、歴史的な文化財がある場所などでよくみられます。緑が多く池もあるため見ていて飽きずに楽しめるでしょう。日本庭園は、古くからあり、四季折々のさまざまな表情を見せてくれます。日本庭園の特徴を知ることで、より庭園を見るのが楽しくなるでしょう。また、今までとは変わった見方もできるのではないでしょうか。今回は、日本庭園の歴史から現在の日本庭園の特徴についてご紹介します。
日本庭園とは
日本庭園は、平安期から盛んに造られるようになりました。実際に、平安時代に造られた建物には日本庭園が多くあります。また、日本庭園の種類は時代によってさまざまです。平安期から近現代での庭園についてご紹介します。
いつからあるのか
日本庭園の歴史は古く、平安期以前からあったとされます。しかし、平安期以前の日本庭園の元を遡ると、中国の庭園が参考になっています。平安期からは、平安京のあった場所（現在の京都）が森や池などの自然豊かな地域であり、日本庭園に必要な石や砂なども採れたこともあり、盛んに日本庭園が造られるようになりました。このころから、浄土教のような宗教の影響も出てきています。
室町時代になると、水墨画や山水画が宋（現在の中国）から伝来されたこともあり、質素な枯山水が造られました。室町時代の文化と日本庭園には密接な関係が、残っていることが特徴的です。
明治時代以降になると、海外との交流が盛んになり、日本庭園が世界にも知られていきました。また、都市部の住宅にも日本庭園が造られるようになり、寺院だけでなく住宅庭園も広まっていきました。
日本三名園
日本には、三名園があります。石川県の兼六園、岡山県の後楽園、茨城県の偕楽園です。兼六園は、江戸時代に長い年月をかけて造られました。庭の中に池や築山、茶屋などを点在させており、庭の中を歩くことが可能です。寺院から見るわけではないため、間近で庭園の雰囲気を楽しめます。
後楽園は、10年以上の年月を経て造られた日本庭園です。こちらも庭園内を歩くことが可能で、四季折々の様子を楽しめます。江戸藩主が住んでいたところの様子や能舞台などを見られるため、庭園以外の日本文化に触れることが可能です。
偕楽園は、江戸時代歴代の大名を務めた徳川家の親戚である、徳川斉昭によって作られた日本庭園です。梅の木が多く、早春には約100種の梅が開花します。梅以外にも桜や竹など、季節によってさまざまな植物があります。偕楽園も歩きながら楽しめる庭園となっているため、庭全体がとても広いのです。
日本庭園の特徴
日本庭園は、庭園によって特徴が違います。しかし、日本庭園のほとんどは植物や石、池から形作られています。植物の種類や、石の置き方、水の使い方などによって雰囲気がとても変わるのです。日本庭園に植えられている代表的な植物や、庭石、池泉についてご紹介します。
植物
日本庭園には、四季折々の植物が植えられているという特徴があります。また、目で見て楽しめたり落ち着いたりする植物であると良いでしょう。また、低木があることで、一気に日本庭園の雰囲気が出ます。自然を凝縮したような様子に意識することで、まとまりが出るでしょう。
低木・庭木は、黒松や赤松、梅やつつじなどがおすすめです。また、花は、藤やハナミズキなどもおすすめです。季節ごとに咲く花々を変えることによって四季による変化を楽しめるでしょう。
庭石
庭石は、日本庭園にとって非常に重要な存在です。庭石を上手に組み合わせることによって、庭のデザイン性が一気に高まります。庭石は、同じ形状のものがないものなので、一つ一つを活かせるようにしましょう。複数の庭石を使う場合は、バランスを考えることで庭全体がまとまるでしょう。
庭石の使い方によっては、石単体を置くだけでなく、石組を作ったりすることで、庭の空間づくりも上手にできます。
池泉
日本庭園にある池は、海や川などを表現しています。水があることで涼しげな印象をもち、枯山水のような水のない庭園とはまた違った雰囲気を作ることが可能です。池をもつ庭園のことを池泉庭園といい、古くから存在しているのです。池を作ることは、自然信仰に由来していたり、涼をとるための機能であったりもします。
日本庭園には、池のみではなく、人工的に川や滝をつくることもあるのです。川や滝も自然にある状態を再現するための1つとして用いられています。昔は、日本庭園を眺めながら歌を詠んだり、遊びをしたりしていたので、そこに川や滝も利用されていました。
まとめ
日本庭園には、多くの見どころがあり、季節によってさまざまな雰囲気を楽しめます。現在は、一般住宅にも日本庭園を造ることも可能です。日本庭園の特徴を押さえたうえで、雰囲気のある庭園づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
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